2021/04/11

読書感想「寿命遺伝子 なぜ老いるのか 何が長寿を導くのか」


この本は面白かった!寿命遺伝子研究のいままでの軌跡と、最新の研究まで。
構成が続きが知りたくなるような書き方をしていて、読み物として楽しめました。
さまざまな寿命に関する遺伝子は、成長の抑制、代謝の抑制、酸化の抑制をする物であり、低代謝でゆっくり過ごす事が長寿のカギでした。ただ、最長寿命を大きく変化させる事は現段階では不可能である。

・明治時代の平均寿命は40代、今は80代であるが、最長寿命は変わっていない。
・細胞は60回分裂を繰り返すとテロメアが短くなり増殖を停止する。(ヘイフリック限界)
・老化した細胞にテロメラーゼを導入して再び細胞分裂できるようにするとガン細胞になる。
・神経細胞と筋肉細胞は非分裂細胞
・ニューロンは非分裂細胞で、寿命はヒトの寿命と同じ
・ショウジョウバエのゲノムは2万数千、人のゲノムは3万個でそこまで大差は無い。
・レスト遺伝子は老化した脳の活動を下げて神経保護作用がある。無効にするとアルツハイマーが増えて寿命が短くなった。
・臓器によって分裂回数が異なる、老化した状態で皮膚のテロメアは短く、筋肉は長いままである。
・クロック1遺伝子を無効化するとエネルギー生産効率が下がり、酸化ストレスも低下する事となり長寿化した。
・抗酸化は長寿化への切り札
・一生の間に消費するエネルギーはほぼ一定であり、哺乳動物であれば一生の間で心臓は20億回、呼吸は5億回とだいたい同じである。
・カロリーを制限した状態であれば、成長が遅くなれば、体が小さければ長寿化する。
・飢餓でスイッチが入るサーチュイン遺伝子はレスベラトールというブドウの皮に含まれるポリフェノールでもスイッチを入れる事ができるが、量的にワイン3万杯飲み干す必要がある。
・運動するとアンプキナーゼが活性化し、遺伝子発現抑制で長寿化する。
・生物の長寿に関係がある要素は、体の大きさ、成熟までの時間、脳の大きさである。
・きんさんぎんさんのDNAは活性酸素を抑えやすいタイプだった事が研究で分かっている。