2019/07/21

読書感想「マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」


昔からある有名本。やっと手に取りました。
著者の父は、「チューリッヒの小鬼たち」と呼ばれる金融マフィア。
チューリッヒの公理を父から伝授し、財を成した。

こっち系の本あるあるなんですが、とにかく翻訳が難しい。無理くり日本語にしたという感じ。著者が言いたい事を想像しながら読まないといけない。

人生において富や名誉と言ったリターンは、すべてリスクを伴っている。
賭けをしなければ得る物はもちろん少ない、賭けをしない人生は安全で、身を粉にして働かないといけないが、おそらくつまらない。残念ながら、給与で金持ちになった人はいなく、投機が必要なのだ。
チューリッヒの人に賭けをするという傾向があり、金融マフィアも多い。
その金融マフィア達が考えた公理が「チューリッヒの公理」である。

そのチューリッヒの公理についてメモ

人の資産作りへのエネルギーの半分は仕事からの所得、残りの半分は投機に回すべき。
大衆に言われている、失っても大丈夫な金額だけを賭けるという戦略や、分散投資もほぼ間違いなく貧しいままである。
傷つく事や心配を受け入れるリスクを取らなければならない。

目標の利益が出れば、”強欲”を抑制し、すぐに利食うべきである。
利食った後が気になる”恐怖”も抑制しなければならない。

状況が悪くなった時は、なんとかなるという”希望”や"楽観"を抑制し素早く逃げろ。
プロは状況が悪くなった時に自分をどのように救うかを考える。
損切りした後に、高騰してしまう”恐怖”を抑制しなければならない。
自分が間違っていることを認めるという事はとても難しい。
また、損切りは逆指値ではなく、自分自身で切る事をおすすめしている。
自分の知っている限りのスーパートレーダーは全員ストップを置いていない。

長期予測はしてはならないし、それに賭けてはいけない。
未来がわかる人などいない。

チャートにパターンなど存在しない。お金の世界は無秩序で混沌としており、聖杯や必勝法と言った物は存在しない。
投機では運をうまくコントロールする人が勝てる。運が良い時は乗り続け、悪くなったら逃げる。

"執着"という人の習性も排除が必要である。
一つの銘柄にこだわって執着せず、より魅力的な物を見つけたら直ちに乗り換えなければならない。負けた銘柄から取り返すという執着もとても危険な物である。
長く持ち続けたものにも執着は起こる。

今までの経験などに基づいた説明できる直観使って行動しろ。
ヤバいと思う直観や高騰するという直観を上手く使う。

占星術など、相場の世界で良く使われるオカルトは信じてはならない。

楽観は相場で使用してないけない、代わりに自信を使う。
自信をもってエントリーや損切りをしないといけない。
常に悲観し、悪い方向へ進んだ時の対処を考えておかなければならない。

大衆の意見は間違っている事が多い。大衆の意見に飲まれず、自分自身で考えなければならない。一番の買い場は総悲観であり、一番の売り場は総楽観である。

ナンピンやドルコスト法は行ってなならない。魅力的な罠である。

--メモここまで--

どの本にも書いてあるような当たり前の事で分かりきった事しか書いてませんが、マーケットの基本中の基本が書いてあり、再認識させられた。これは良書ですね。

日本はギャンブルは悪という風習があるため、マネーリテラシーがとても低く、海外では「日本人が買いだしたら売れ」と言われるほど、バカにされている国である。
投機しない人も読んでほしい本ですね。
翻訳がもう少し良ければ・・・