2021/04/11

読書感想 脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき


脳のニューロン以外の場所に存在するグリア細胞の研究者な著者。
人の心は美しい物理学の法則にしたがって、物質同士が相互作用しているだけなんだなと。
脳科学はまだまだ分かっていない事だらけで今後楽しみな分野だと思いました。

・脳の免疫システムはミクログリアが担当しており、白血球は使われていない。
・脳に繋がる血管は脳に余計な物が入らないようになっている為、ほとんどの薬が届かないが、脂に溶けやすいアルコール、カフェイン、ニコチン、覚せい剤は届いてしまう。
・脳はリンパ液ではなく一日に3~4回入れ替わる脳脊髄液が脳の老廃物を排出しているのではと考えられている。
・老廃物排出能力低下がアルツハイマー病を引き起こすと考えられている。
・神経細胞に電気が通るのではなく、タスキリレーのようにナトリウムイオンチャネルを開いて情報を伝達している。また、一度チャネルが開くとしばらく情報伝達をできない為、情報が逆流しなくてすむ。
・シナプスの伝達効率が変化する事が記憶の元になっている。
・神経毒は脳の伝達を阻害する物質で、脳の信号が停止すると心肺停止になったりする。
・脳の5分の1の隙間は間質液で満たされており、様々な化学物質の通り道になっている。
 この化学物質が感情などの人間らしさを生み出しているのではないか。
・ほとんどの全身麻酔が何故効いているのか分かっていない。
・脳全体に伝わる電場がある。低周波がこれに近く、高圧電線の影響はこれに近いからではないかと考えられる。
・天才脳ほど、脳内に無駄な接続が少なくシンプル。
・脳の10分の1しか使っていないは間違いで、ニューロン以外のグリア細胞事を誤解したのではないか。
・アインシュタインの脳はニューロンが通常の人よりも少なく、グリア細胞の割合が多かった。