2019/10/14

読書感想「私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む」


前作「成功する子 失敗する子 何がその後の人生を決めるか」の続編。
前作より具体的に、幼少期の逆境、ストレスが非認知能力を低下させるという事を更に明らかにし、非認知能力は伸ばす事が出来るスキルとして断言している。

様々な研究結果を紹介している。

・幼少期のトラウマの数と成人後にかかった内科疾患に相関関係があった。
・幼少期の環境の悪さと、学校での行動や問題には送還関係があった。
・3歳未満の時期が非認知能力への影響が一番あった。
・入園前のお習い事はプラスの効果は全く無く、むしろマイナスの影響が見られる事もあった。
・親が睡眠不足や鬱状態が結果子どもへのストレスの原因となっている。
・非認知能力はストレスを上手く管理する能力と自制心の上に成り立っている事が分かった。
・学校の規律、罰は非認知能力を妨げており、生徒がみずから自制能力を発達させようとする状況や仕組み作りを行うべきである。
・教育でのお金による報酬は統計的にゼロであった。
・モチベーションは有能感、自律性、人とのつながりによって生まれるという研究結果がある。
・学業の為の粘り強さ=失敗からすぐ立ち直る力
・学業では「私はこの学校に所属している」「私の能力は努力によってのびる」「私はこれを成功させることが出来る」「この勉強は私にとって価値がある」という信念を持たせる事が生徒に粘り強い行動をさせる事ができる。
・「ステレオタイプの脅威」と言って、自分には出来ないと思い込むタイプは、自分には出来るというタイプと比べて成長スピードが全然違う。

前作と比べて、多くの研究結果が紹介されていて面白かった。
教育に携わっている方は読んでほしい本ですね。