2019/11/22

読書感想「ケーキの切れない非行少年たち」


非行少年がなぜ凶悪な犯罪に手を染めたのか。その背景や、そのような犯罪を今後出さない為の社会への問題提議をしている本。

知らなかったのが私達がマジキチと思っている人は、実はほとんどが知的障害者である事。犯罪を起こしたらどうかるかが想像出来ないのです。ネット上にもよく変なのがいますよね。なので、まず自身を守らないといけないと思いました。普通は通用しません。

彼らは脳に生まれつき障害があり、それがいい方向に向けば、素晴らしい偉業を成し遂げる事が出来るのですが、家庭環境や教育、人付き合いの問題でそのベクトルが至らぬ方向に向いてしまう可能性があり、我々はそいういった人達が社会が認知機能、感情コントール、メタ認知能力に問題がある事を理解しなければならないなと。
周囲の理解が足りず、普通の事を強要する事が彼らのストレスとなり、それが非行に繋がるのではないか。現在の非行まで、生まれてからすべてが繋がっているのではないかと。

集団生活で自己認知能力は育つが、そもそも集団生活に入れない。学校では理解されずに厳しく教育される。非行化して矯正施設に入るも、更に厳しい指導を受ける。
こんな負のループが起こっている。

矯正はまだ試行錯誤のようですが、勉強の前に「移す」「数える」事や、コミュニケーションのトレーニングなど、もっと根本的な事から支援していく事で結果が出ているようです。

だだ、個人的な印象では一度非行化してしまうと、矯正はかなり難しいのではという印象でした。やはり、社会全体がこういった事を認識し、サポートする事でこういった問題は事前に防げるのではないかと。とても勉強になりました。